今回は有川浩さんの「ストーリー・セラー」
について語ろうと思います.
ちなみに発売日に買ってすぐ読みました.
できるだけネタバレはなしで行きます.
なぜかというと,このレビューを見てくれた人にこの本を読んでもらいたいからです.
では,早速れっつらごー!!
まずあらすじから……
このままずっと小説を書き続けるか、あるいは……。小説家と、彼女を支える夫を突然襲った、あまりにも過酷な運命。極限の選択を求められた彼女は、今まで最高の読者でいてくれた夫のために、物語を紡ぎ続けた――。
もう,このあらすじから引き込まれました!これは買うしかないと思いましたね!
小説家の彼女とその夫は一体どうなったのか気にならずにはいられないあらすじでした.
この本の構成としては中編の物語が2つ――Side: AとSide: Bがありました.
Side: Aは主に夫よりの視点の物語で,逆にSide: Bは小説家である妻よりの視点の物語でした.
2つとも妻が小説家で夫が妻を献身的に支えるという事と,
そしてその夫婦に残酷な死が忍び寄ってきているという事は同じで,
あとは全くの別物でしたね.
かと言って,この2つの異なる物語は繋がっていないわけではありません.
うまいこと繋げたなあ……と私はため息をついてしまいましたね.
そのせいで,私は作者の思惑にすっかりハマってしまったわけなんですが.
まあ,それは読んでみてからのお楽しみということで……(*^_^*)
Side: A
主に夫よりの視点の物語.
読み始めて,私はすぐにこの夫である彼に感情移入してしまいました!
なので,彼が
どれだけ妻である彼女を好きでいたか
愛していたか
大切にしていたか
が痛いほど心に伝わってきました.
また,小説家でもある彼女が
どれだけ小説を書くことが好きだったか
どれだけ夫を大切に思っていたか
も彼女の描写からすごく胸に響きました.
そして,最後の方にあるあの表現方法は圧巻でした……
そこを読んでいる最中,私は涙が止まらず,嗚咽さえも出てしまいました.
それだけ,この物語に入り込んでしまっていたということなのでしょう.
これから読む人も私がどこのことを言っているのかすぐわかると思うので,
楽しみにしていてください.
ちなみにこの感想を書きながら読んだことを思い出すだけで,私は涙ぐんでしまいます……
この物語の破壊力は絶大です.
Side: B
主に妻よりの視点の物語.
このSide: Bがあることで,上記で書いたように全く別の2つの物語が繋がるわけなんですよ.
さらに,そこには作者の思惑もあり,私はまんまとハマってしまったわけなんですよ.
どうしても「こうあってほしい」と思わずにはいられないんですよね……
夫も妻も相手をとても大切に思っているところはSide: Aと同じですが,
Side: BはSide: Aよりも淡々と書かれていたように私は思います.
しかし,どちらともリアリティがあり,さすがは有川さんだと脱帽してしまいました.
Side: Aほど泣きませんでしたが,涙ぐんだりはしましたね.
詳しく書こうとすると,全部がネタバレになってしまいそうなのでここらへんでやめておきます.
すいません…
総評
「植物図鑑」のようなベタ甘ではないものの,甘く,そして切ない.
胸が張り裂けそうなほど狂おしい「愛」を感じる作品でした.
この作品は名作であると心から断言できます.
この作品を読まない人は
人生を損している
と言えるほどの作品ですのでぜひぜひ読んでみてください!
私もこれほど大切に思える相手を見つけたいものです.
では,また