OUTPUT WORLD

読んだ本、体験した事、自分の考えについてつらつらと書いていきます。皆さんの何かの手助けになれば幸いです。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由 感想

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
著者:汐街コナ   精神科医・執筆協力:ゆうきゆう
「世界は、本当は広いんです」

 あらすじ

デザイナーとして活躍する汐街コナさんは、毎晩終電ギリギリで帰る日々を送っていた。そんな多忙な毎日を繰り返すのに、心身ともに疲れ切っていた汐街さんは、ふと線路に向かって一歩踏み出せば、仕事に行かなくて良くなるのではないかと危険な誘惑に襲われる・・・そして・・・・

 

 

様々なニュースでも取り上げられたツイッター漫画が書籍化されました!

「マンガでわかる心療内科」シリーズで有名なゆうきゆう先生が監修・執筆に協力し、「死ぬくらいなら辞めれば」ができない理由をわかりやすく解説。

 

 

現代日本のすべての労働者を救う一冊です。

 

 

 

総評

僕もホワイトかブラックかで言うと、ブラックの部類に入る企業で働いています。ちなみにニュースで話題になっていたツイッター漫画も読みましたよ。すごく共感できて救われたことを覚えています。

印象に残っていた漫画が書籍化されたということもあり、すぐにアマゾンでポチっちゃいましたね笑

 

 

あらすじでも書いた通り、過労で命を落としかけた汐街コナさんの実体験をもとに心療内科の観点で、なぜ命を捨ててしまうところまで追い込まれても会社を辞められないのか、わかりやすく解説されています。

また、自分は大丈夫なのか、危ない状態なのかの判断の仕方や危ない状態からの脱出方法、実際に激務を辞めた後どうなったのか実体験も記されており、内容の濃い一冊となっています。

 

 こういった心療内科を扱った書籍は、長い文章と難しい用語ばかりで重い事しか書かれていないと思われがちですが、汐街コナさんの棒人間漫画の可愛さがイイ塩梅で重くなりすぎないように調節されており、文章もそこまで長くなく、読書の遅い僕でも1、2時間ぐらいでさらっと読めてしまいました。

 

内容も実体験に基づかれて書かれている事もあり、ブラック企業あるあるがたくさん出てきましたね。その一つ一つに対して、よくない考え方である理由を説得力のある解説がこれでもかと描かれています。

 

そして、それらの言葉には、過重労働で悩み、苦しむ僕らを思う気持ちがいっぱい込められていました。

 

 

優しい言葉が数え切れないほど出てきましたが、その中でも一番印象に残った言葉を紹介したいと思います。

 

仕事上の立場は替えがきく」と言いましたが、替えのきかないものも存在します

あなたが誰かの息子や娘であり、誰かの父親や母親であること

誰かの夫や妻であり、誰かの兄弟や姉妹であること

誰かの孫や祖父母であり、誰かの恋人であり、誰かの友人であること

 

これらは絶対に替えがききません

 

そして当然

あなた自身

あなたの夢

あなたの人生

あなたの命

誰にも代わりができず、失ったら二度と戻ってこない

 

あなたの人生は広く多彩です

 

5年後10年後のあなたはどこいるかわからないけれど

大切な人たちと長い道のりを歩むために

犠牲にしてはならないもののことを忘れないでください

 

 

 

ちょっと長くなってしまいましたが・・・

とても優しい言葉だったので、僕はボロボロと泣きました。

皆さんも仕事が一番大事だと知らず知らず優先度がおかしなことになってはいないでしょうか?

 

一番大事なものはあなた自身です。

 

もしも、仕事が辛い、苦しいと少しでも頭の中で思い浮かぶ方がいましたら、迷わずこの本を手に取ってください。そして、優先順位の一番を自分にしてください。

 

 

これ以上過酷な労働環境で苦しむ人が増えないことを祈って、今回の感想を閉じたいと思います。